2024年2月に広島で開催された第16回植え込みデバイス関連冬季大会に参加してまいりました。今回は当科の学会実績の御報告をいたします。 われわれ不整脈グループからは斎藤先生・小林先生・小木曽先生の3演題の発表がありました。斎藤先生はAuto capture managementの落とし穴についての報告でした。ペースメーカの電池消耗を抑えるために閾値自動測定し出力を自動調整する機構を設定することができますが、閾値が日内変動する場合には適切な出力設定ができない事象が生じ得ます。そのデバイス設定の落とし穴による症例報告であり、今後のデバイス管理を行う上で有意義な発表でした。また小林先生はS-ICDで洞停止が記録することができた症例についての報告でした。通常S-ICDは徐脈は感知することができませんが、10秒の洞停止があった場合Smart pass filterというT波オーバセンス抑制機構がOFFになってしまい、その際の波形が記録されます。この事象によって洞不全症候群を診断することができた稀な症例とSmart pass filterについて詳細を知ることができました。そして、小木曽先生からはリードレスペースメーカ抜去についてでした。リードレスペースメーカはその名の通りリードのないペースメーカを右室中隔に留置するペーシングシステムの一つです。2018年に本邦で植え込み可能になってから、その植え込み件数は増加傾向にあります。非常にまれですが、リードレスペースメーカの位置のずれによりペーシング不全の陥り、リードレスペースメーカ抜去を要し、グースネックカテーテルを用いてリードレスペースメーカ本体を把持し抜去に成功した症例の報告でした。抜去手技の報告数は多くはなく、非常に有意義な発表でした。 植え込みデバイスの進歩は目覚ましく、最近の話題としては、刺激伝導系システムペーシングやリードレスペースメーカが注目を浴びています。今回の研究会参加も非常に励みになりました。当院でも最新のデバイスシステムを積極的に取り組んでおり、機械の進化だけでなく我々オペレータの技術力・探求力やマネージメント能力の向上のため歩みを止めず邁進する必要性を肌に沁みて感じることできました。 最後に、今回開催地の広島は個人的には初めて訪れた土地でした。サンフレッチェ広島の本拠地であるエディオンスタジアムが本年に完成し、広島カープの本拠地である広島球場もあります。今回はサッカーや野球観戦はできませんでしたが、次回訪れる際には是非ともスポーツ観戦とともに広島焼きや広島のカキなどを楽しみたいと思います。
不整脈チーム 石末 成哉