心不全班の鍋田です。今回は10月に大宮で行われた日本心不全学会学術集会への参加報告になります。心不全学会はその名の通り心不全に特化した学術集会です。病態や治療に加えリハビリテーションや看護、薬剤管理なども含まれるため、医師以外のメディカルスタッフの参加が多いことも特徴です。 今回はかわぐち心臓呼吸器病院の佐藤直樹先生が大会長であり、若手とエキスパートの世代を超えたコラボレーションやポスターセッション前にあったcommunication-hubで海外学会であるようなディスカッションをメインにしたセッションが見られました。特に海外からの招致演者の豪華さは凄まじく、John McMurray先生やMichel Felker先生、Alexandre Mebazaa先生など本当に世界のトップオブトップが集まり、レクチャーやディスカッションが行われていたのが最高でした。

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写真1. 心不全学会のメインイラスト、研究における格言・巨人の肩に立つが表現されています

当教室からは心不全班が全員参加し、発表・座長・ディスカッサントなどの役割を担ってきました。特に大学院生筆頭の瀧上先生はYIA sessionに選ばれ立派に発表してくれました。瀧上先生含め参加した大学院生からそれぞれ報告をしていただきます。

瀧上先生

早いもので自分も最終学年となり、病棟医2年次にサルコイドーシスの研究で初めて発表の機会を頂いた2019年の心不全学会から6回目の発表となりました。今回は指導医である石井先生と講演会で遠征先の大阪の居酒屋で構想されたARNI新規導入後のLVRR予測スコアリングについて発表をしてまいりました。演題はYoung Investigator Award sessionに採択を頂き、大学院生活の集大成として挑むこととなりました。Refereeには卒後3年目の北里研究所病院に勤務時代に大変お世話になり、私の研究活動のきっかけとなった猪又孝元先生がおられ、大変に緊張しました。English sessionであり、可能な限りの質疑応答パターンを事前に練っていきましたが、当日にはうまく引き出すことができず、自身の不甲斐なさを改めて実感した発表となりました。プレゼンテーションの手応えは全くもってなく、授賞式への参加はしないことも考えましたが、せっかくなので・・・!!ということで受賞式には心不全班の先生方(全員残ってくれていました・・)と待機することといたしました。「こんなにみんなが待機してくれちゃったけど、絶対無理だよな・・・やばい・・どうしよう・恥ずかしいいいい・・!!」と絶望しておりましたが、予想通り私の名が呼ばれることはなく、周りの先生方も何事もなかったかの様に飲み会へと移動される背中をみて、いつの日か「YIAを受賞する」という新たな目標を掲げて終了した心不全学会となりました。今回の学会発表につき、ご指導いただいた石井先生をはじめとした心不全班の先生方、阿古教授にはこの場を借りて感謝申し上げます。いつの日か、このつぶやきでYIA受賞の報告ができますよう、これからも精進いたします。皆様もどうぞ吉報をお待ちください。

飯倉先生 今回の心不全学会の見どころはやはり瀧上先生のYIAの発表でしょうか。大学院生の鏡です。英語の発表も素晴らしかったです。尊敬しています。私は心筋炎とMCSに関連した発表をさせて頂きました。流暢な日本語で話すことができました。後輩達も勉強しに参加しにきてくれました。心不全班に入って欲しいのですが。。。

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発表している春木君(奥)と同じセッションで発表された心不全班の大先輩大木先生(手前)

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お昼の一コマ

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初めてのリサーチ発表をする中原先生。貫禄すごい

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緊張している瀧上先生。

中原先生 私は鍋田健先生ご指導のもと、「トランスサイレチン型心アミロイドーシスにおける重症度と臨床所見の対比」のタイトルで、研究発表を行わせていただきました。未だ予後不良な心アミロイドーシスですが、新規治療薬の参入などで近年注目を集めており、一般口演セッションとは思えないほど大勢の聴衆が集まり、立ち見が出るほどでした。他の演者の先生は同分野で有名な熊本大学の先生や、大規模臨床試験を手掛けている著名な先生方もいらっしゃり、少し萎縮してしまう自分もいましたがなんとか発表をやり遂げ、活発な議論のうちに終えることができました。 その他心不全班の先輩方の発表や座長セッションを聴講して学ばせていただきながら、日常の心不全診療で必要な知識のup dateやプレコンセッションなど数多く参加し、心不全診療の奥深さを改めて実感しました。 今回は埼玉県大宮での開催だったこともあり、北里大学メディカルセンターに出向中の先生や心不全療養指導士の看護師さん、理学療法士さんも交え、総勢20名で学会初日に食事会を企画させていただき、当科名誉教授の和泉徹先生を囲みながらこれからの心不全診療や北里の昔話などの話に花を咲かせながら、楽しいひと時を過ごすことができました。(写真) 来年以降も北里から様々なデータを発信できるように、自分も日々精進していきたいと思います。ご指導くださった鍋田先生を始めとする心不全班の先生方に謝辞を述べさせていただき、私からの報告とさせていただきます。

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写真:学会初日に行われた懇親会

春木先生 心不全学会への参加は今回が初めてであり、非常に勉強になる3日間を過ごすことができました。 私にとって今回の学会は、心不全が学会への初めての登壇ということでとても緊張しながらの発表でした。演題は、近年注目を集めている免疫チェックポイント阻害薬関連心筋炎(irAE心筋炎)に関するもので、私たちが収集した症例をもとに考察を加えた内容でした。 発表後の質疑応答では想定を超える鋭い質問に回答に窮する場面もあり、悔しさも残る一方で、今後はもっと発表を上手にできるようにしたいという、確かなモチベーションになりました。また、同期や先輩たちの発表も大きな刺激となりました。 特に印象的だったのは、大学院4年生 瀧上先生のYIAセッションでの発表でした。堂々と発表する先生の姿を見て、「自分もいつか、こうした場で臆することなく英語で発表したい」という思いが芽生えました。 発表を終えた後の夜には、心不全班医師、看護師さん、PTさんでの打ち上げを行いました。これまでお名前だけ存じ上げていた、前任の教授に初めてお会いし、お話を伺い、心不全についてのご指導をしていただく中で北里大学心不全班の源流に触れたような気がしました。 今回の学会参加では新たな出会いもあり、心不全班の大学院生としての第一歩を踏み出せたと思っています。今後もこの経験を糧に、日々の臨床と学術活動に励んでまいります。