文責:割澤 高行
2026年7月16日(木)~18日(土)にかけて、第34回日本心血管インターベンション治療学会(CVIT 2026)が、東京国際フォーラムにて開催されました。
例年通りの冠動脈、末梢動脈、構造的心疾患に対するライブデモンストレーションやビデオライブに加え、合併症に対する Bail-outにフォーカスしたセッションが数多く組まれ、これまで以上に若手医師の教育に焦点を当てた学術集会だったと感じました。新たに循環器内科医になる医師が減る中で、参加者数も過去最高の7,400人を超えており、この領域に熱意を持つ若手医師の多くの参加があったのではないかと嬉しく思いました。特に、Bail-outセッションは満員御礼で、立ち見に留まらず入場制限がかかり、会場の部屋の前に視聴用モニターが設置され、会場外にも沢山の聴講者が立ち並ぶ盛況ぶりでした。
冠動脈領域の学術面では、昨今の国際学会の潮流と同様に、PCI(Percutaneous coronary intervention)のfocusは、ACS(Acute coronary syndrome:急性冠症候群)患者の救命・予後改善と、CCS(Chronic coronary syndrome:慢性冠症候群)患者においては石灰化病変や左主幹部病変などの複雑性病変へのPCIに重きがおかれ、デバイスとしては異物を残さないDCB(Drug-coated balloon:薬剤塗布型バルーン)が大きく取り上げられていました。さらに、二次予防に関するデータも多く発表され、学会で最も注目される研究を取り上げるLate-Breaking Clinical Trialsセッションにおいても、同テーマでの研究発表が複数ありました。国立循環器病研究センターの片岡有先生からは、日本の多施設研究から、「PCIから8週間後にLDL-C値<70mg/dLを達成できなかったACS患者は、主要心血管イベント(心臓死、非致死性自発性心筋梗塞、臨床由来の非責任病変の血行再建の複合)のリスクが顕著に高まり、CCS患者と比較してACS患者は、LDL-C値を低下させることによるベネフィットがより大きい」ことが、報告されました(JACC Asia. 2026:10.1016/j.jacasi.2026.07.004.)。私自身も、2022年の春から務めているLancetのCommission Memberで取りまとめた“Moving from Ischemia to Atheroma”という概念を啓発する特別講演をさせて頂きました(Lancet. 2025;405:1264-1312)。インターベンションの学会において「人類は動脈硬化を克服できるのか?」という何ともチャレンジングなタイトルでの二次予防管理に関する講演でしたが、大きな会場が数百人の聴講者で埋まり、昨今の内科的管理の重要性への関心・意欲の高まりを感じられた体験でした(写真1)。

今回は、当科からの研究発表自体はありませんでしたが、当科スタッフも座長や講演ロールを数多くこなし忙しく過ごしました(写真2)。

また、夜には、学会の醍醐味ともいえる仲間内で親睦を深める会が開催され、ちょっと飲み過ぎた後輩もいたようですが(写真3)、CVIT 2026を通じて、“チーム北里”の結束がますます強まったことを感じられました。
写真3
