医療系研究科博士課程4年 瀧上 悠
大学院医療系研究科4年の瀧上悠と申します。 3月のJCS 2024に引き続き、5月11日から同14日までリスボン/ポルトガルで開催されたESC-Heart Failure Association主催のHeart Failure congress 2024にて鍋田先生と発表して参りましたので報告いたします。

写真1: 会場
ESC-HFは個人的には卒後4年目の2019年に発表したことのある学会ですが、当時は世界的にCOVID19感染症が大流行し始めた真っ只中であり、web開催となってしまったため、今回が初めての現地参加となりました。
ポルトガル/リスボンまで東京からの直行便はなく、我々はドバイ経由でトランジットを含め約25時間かけて現地へと赴きました。ドバイでは約7時間のトランジットとなりましたが、1億円の当選確率が0.05%と日本の☆☆!!??倍(日本は0.000002%らしいです)を売りにしたミリオネアチャンスに鍋田先生と共に一縷の望みをかけ、残りの時間は瞑想して心穏やかに過ごし、気づけばあっという間にポルトガルに到着していました。
現地ポルトガルは年間日照時間が3000時間ととても気候が良いことで知られており、滞在中も毎日素晴らしい天候に恵まれました。夜は21時ころまで明るく、学会終了後も十分に観光を楽しむことができました。また、リスボン市内をgoogle mapで検索すると、とてもコンパクトに観光やショッピングを楽しむことができそうな雰囲気を醸し出しておりますが、Lisbonは「7つの丘の街」と通称されるように街中は急勾配の坂道にあふれておりました。そんな中でもgoogle mapのお導きにより、主要観光地は意地と気合の徒歩で散策し、気づけば我々の3日間での総歩数は約80000歩となっておりました。絶妙なタイミングでの鍋田医師からの休憩号令により、ポルトガル菓子として有名なパステル・デ・ナタ(日本のエッグタルト)や水分摂取(ビール)で脱水を回避し、毎晩の至福の晩餐により相当な歩数を稼いではおりますが、カロリー出納としてはIn-overな幸せな毎日を過ごせました。また、期間中には鍋田先生の計らいで他施設の先生方との食事会にも参加させて頂き、他施設の大学院生とは多施設共同研究の相談(?!)などもでき、非常に有意義な会となりました。

写真2: 街中にトラムが走っていますが、我々は健脚に磨きをかけました。

写真3: きつめな坂がたくさんありました。

写真4: 登山に近い坂登りのご褒美は最高の景色でした。
さて、学会についてですが、私は心臓サルコイドーシスの予後指標としてのGa scintigraphy/FDG-PETの有用性について報告してまいりました。心臓サルコイドーシスにおけるPSL治療の効果判定や再発の定義は定かではなく、当院での症例を後ろ向きに検討したところ、PSL導入後のPET/Ga scintigraphyの集積消失はall cause death or fatal ventricular arrythmia event (VT/VF)発症のリスク低下と関係していたことを報告して参りました。JCS2024での苦い経験(過去記事を参照ください)を活かして、余裕をもったズボンで現地参加としましたが、今回はe-poster形式での発表であり、私のposterは既に会場のテレビに映し出されておりましたので、無事に発表を終えることができました。(念のためにズボンは2本用意しておりました)

写真5: 指導医の鍋田先生と

写真6: 鍋田先生
Late-Braking sessionでは北海道大学の永井先生よりLASCAR-AHF trialの結果報告があり、急性心不全患者において、低用量カルペリチド(0.02 μg/kg/min)の追加併用は標準治療(入院前Furosemide内服量の2倍量投与)と比較して、2年の全死亡/心不全入院を減少させなかったことを報告されていました。また副次評価項目である、治療後72時間までの呼吸困難、尿量にも差は認めなかったことが報告されており、今後のAHF診療の参考となる結果をタイムリーに知ることができました。また、なかなか当院でも実現の出来ていない遺伝子関連のsessionも聞くことができ、大変勉強になりました。会場では心不全領域で知らない先生方はおられないだろうGlasgow大学のJohn Mcmurray先生の姿もお見かけすることができ、今後の医局・心不全班の発展、自身の成長、ミリオネアチャンスを祈願し、心の中で拝み、帰国の途につきました。